門井慶喜『銀河鉄道の父』

先日、とある映画を観に行きました。
GW中に放映開始したのですが、GW期間中は敢えて外出したくなかったのと、天気も悪かったので
すぐには観に行けなかった作品です。

『銀河鉄道の父』です。
本作は、2018年に直木賞を受賞した作品、門井慶喜氏の小説を原作としています。

タイトルから分かる通り、本作の主人公は宮澤賢治の父・宮澤政次郎です。(ここではあえて宮澤表記とさせていただきます。)
宮澤家は、賢治の祖父(政次郎の父)の宮澤喜助が開いた質屋・古着屋によって、地元の名士とまではいきませんが
それなりに裕福な家庭でした。
そんな宮澤家に生まれた期待の長男・賢治は、質屋を継ぐこともなく宗旨も変え、詩人の道へ歩みます。

病的なほど生と死に対して、潔癖で、臆病で、それでも誰が為に命を賭すことを至上とした賢治。
彼について深く切り込んだ作品やノンフィクションは数多くあります。
盛岡高等農林学校での保坂との濃密な時間、妹トシのスキャンダル・・・そして『春と修羅』へ。
賢治やトシには、とてつもない経験や出来事がありますが、あくまでそれらを切り離して
「父」の目線でひたすら描かれた本作では、賢治やトシの見え方もかなり変わってきます。

そして、「永訣の朝」を過ぎ・・・賢治の死を迎えた時。
忠実にはなかったオリジナルの演出が、かなり心にグッときます。
振り回されても、迷惑ばかりかけられても
やっぱり、子を思う「父」なんですよね・・・。

幼いころから宮澤賢治作品が好きだった自分には、賢治やトシの心中をいろいろ考察しながら
観ることができました。

原作となる小説も、もちろん映画も、素晴らしい作品になっています。
特に、主役の役所広司さんの演技は流石の一言です。

門井慶喜『銀河鉄道の父』でした。

それでは。

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