乗代雄介「旅する練習」

コロナはまだまだ収まらない。ウクライナ侵攻も終わりが見えない。

今でこそ、マスクをして外に出ることに慣れてしまいましたが

これまで当たり前のように過ごした日常がどんどん失われていきます。

遊びに行ったり、買い物したり、絵をかいたりしている

そんな僕らの日常のすぐ隣には

いつだって不穏な非日常が寄り添っているのだと気付かされました。

今回紹介する小説は、まさにそんなお話です。

乗代雄介先生の「旅する練習」です。

 

主人公はサッカー少女、亜美(アビ)と小説家の叔父(わたし)。

コロナ禍による緊急事態宣言下、中学進学を控えた亜美の小学校が休校になりました。

それを機に、亜美は春休みの宿題と、とある理由のために

小説家の叔父と共に利根川沿いを数日かけて歩いて行きます。

目的地は、鹿島アントラーズの本拠地である鹿島市。

 

道の途中で見た景色を、小説家の叔父は文章として綴っていきます。

その間に亜美はサッカーのリフティングの練習。

二人にとって、この旅は「練習する旅」なのです。

道中で起きた出来事。

そこはかとなく作品に漂っている不穏な空気。

そして・・・

 

これまで日常だったものが、一瞬で消えてしまう。

そんな世の中だからこそ

伝えるべきことは、伝えなければいけない。

それを痛感した作品でした。

乗代雄介先生の「旅する練習」でした。

それでは。

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