オリンピック閉会を迎えて

昨日の20時から2時間半にわたる閉会式典が行われました。

それから一夜明けて、改めて振り返る。

結論から言うと、開会式と一緒。う~~~んって感じでした・・・。

今日書くことは個人的な観点とはいえ、批判が多めなので

気になる方は無理して読まなくても構いません・・・。

 

①映像による五輪マークの出現

 今回の閉会式の幕開け。

映像技術によって会場中を光の粒が縦横無尽に飛び交い、最後には中央に集まって

空中で五輪のマークを作る。 これは文句なしによかった。

私はこういった映像技術には疎い人間だけど、そんな人間にも直感的に

オリンピックの盛大なイメージが伝わってきて大変すばらしかった。

しかし、これを観て「お、出だしは良いなぁ」と思った自分が浅はかだった。

 

②『東京の公園』という謎テーマ

 続いては、トーキョースカパラによる演奏と共に多数のエキストラたちが登場。

アナウンサー曰く、テーマは「休日の東京の公園」とのこと。 

会場内の周囲を楽しそうに練り歩く人、中央でスケボー、ダブルダッチ、けん玉などなどの

パフォーマンスを始める人たち・・・・開会式のなだぎ武さんご一行と同様、謎の寸劇が始まる。

 そもそもテーマの「休日の東京の公園」というチョイスが謎。

世界中に「東京」という都市をアピールするにはあまりにも矮小すぎる上に分かりにくいテーマ。

公園でスケボーやダブルダッチして遊ぶことが東京ならではなんてことはないし

今の日本の公園で実際にそんなことすると地元の老人たちから危ないからするなの嵐。

なんなら、欧米の公園の方が盛んに行われています。

そしてとりあえず日本要素を入れておこうみたいなノリで入れられたけん玉。

もちろん、パフォーマンスの出来自体は悪くはないが、位置もタイミングも悪い。

身近にパフォーマンスを観られるはずの選手たちが会場の隅に寄せられ

中央に集まってそれぞれ好き勝手始められるパフォーマンスを遠くから眺めるだけ。

ダブルダッチも、けん玉も、身近で見るからこそ盛り上がるのに

選手の視点から見れば「真ん中に集まってみんな何をしてるの?」状態。

選手たちに楽しんでもらうというコンセプトもあったのに、肝心の選手たちは置いてけぼり。

参加型…とまではいかなくても、せめて選手たちが楽しめる距離感でやってほしかったです。

会場の周囲を歩き回るエキストラたちが手を振る中、それに背を向けて選手間で談笑してる

ワンシーンからも、このパフォーマンスの注目力の無さが感じられました。

最後にせっかく、DJ松永さんのDJソロパフォーマンスもあったのに、冗長な前置きに比べて

とても短く置かれたのは、ファンとしても悲しい。

 

③milet氏による「愛の讃歌」

 シンガーソングライターのmilet氏による「愛の讃歌」。フランスを代表するシャンソン曲ですね。

次期開催のパリ五輪を意識した選曲でしょうか?原曲と違って明るく、アップテンポな

曲調となっていましたが、個人的には好みの演出でした。milet氏の歌声も素晴らしかったです。

それだけに、周囲のパフォーマンスが工夫のないダンスだけだったのが物足りないです。

リオ五輪閉会式の時のように統率の取れたパフォーマンスチームがいればもっと見映えしたはずです。

 

④再び始まる「東京の公園」

 milet氏の歌も終わって次は何が来るのか…と思っていたら

またまた先程のパフォーマンス集団が登場。

外側ではダンス、中央ではスケボーとジャグリングのパフォーマンス。

それぞれがまたもや統一感なく行われている。それぞれの衣装もみんなバラバラ。

ダンサー間でも、パフォーマー間でも統一感がない。

「多様性を表しているんだよ」と言えば聞こえはいいが、これは多様ではなく雑多なだけである。

最初も言ったが、「日本」を「東京」をアピールする姿勢がまるで感じられない。

これなら、ネットで半分ネタ扱いされてたマツケンサンバの方が断然いい。

カメラに気付いて楽しそうに手を振ってくれたスペインの選手たちに幾分か癒された。

 

⑤和太鼓パフォーマンス

マラソンのメダル授与や、新IOC委員の発表の後行われたのが和太鼓パフォーマンス。

和太鼓奏者の佐藤健作氏は、1998年のFIFAW杯の閉会式、開催国のフランスから

次の2002年、日韓W杯への引継ぎパフォーマンスでも披露した方らしいです。

ここでも、日本とフランスの繋がりを意識しているので、なるほどなぁと思いました。

当時幼かった自分にとっては記憶にない両大会でしたが、そんな関係を知らずとも

楽しめる迫力ある演奏でした。

ただ如何せん短かった。せっかくの日本らしさのアピールポイントなだけに

ドラムTAOみたく大々的に行われなかったのは残念です。

 

⑥追悼ダンス

和太鼓の演奏が終わった後、ステージが暗転して中央でダンスが開始されました。

どうやら和太鼓の演奏はこのダンスの導入的な扱いのよう。

先ほどとはテーマが打って変わって「この世を去った人たちへの追悼」を込めてらしい。

東日本大震災においてなのか、新型コロナウイルスにおいてなのかは言及されなかった。

(リオ五輪の閉会式でも行われたので、おそらく今回は後者だとは思うが・・・)

これもアナウンスによる説明がなければまったく意図がつかめない。

私が舞踊に対する芸術的な感性が足りてないのであればそれまでだが、

おそらく会場にいた選手たちは「?」状態だったのではないだろうか。

リオ五輪の閉会式の際は、プロジェクションマッピングによって世界各国の「ありがとう」

という言葉と共に、君が代と主に日の丸が映し出された。

厳かな雰囲気を保ちつつも、視覚的に直接訴えてくる良い演出でした。

しかし、今回は東日本大震災や新型コロナウイルスの被害の甚大さを訴える映像もなく

ただ中央で踊りが行われているだけだった。

何を伝えたかったのかがいまいちわからない。

ダンス自体についての評価は、自信を持って言えないのだが

ドジョウ掬いのような動きをした際は、不謹慎にもフフッとなってしまった。

衣装も樹木をイメージしたものらしいが、ドラクエのワカメ王子のようだった。

同じ感想の方が他にいたのも面白かったです。ドラクエは偉大。

これについては、本当に自分のダンスについての知識が不足しているだけかもしれないので

何か大きな意味が込められているのかもしれない。

 

⑦流れる各地の踊り&東京音頭

 続いて、先の踊りと繋げてなのか、日本各地の伝統的な踊りの映像が流れてくる。

北海道のアイヌ古式舞踊、沖縄県のエイサー、秋田県より西馬音内盆踊り、岐阜県の郡上踊り

まず、「え、これだけ?」となった。 あまりにも少ない。映像作品の為、

仮に数を増やして長くしたとしても実演パフォーマンスへの手抜き感が出てしまう。

でもこのくらいのボリュームなら、開き直って実演で踊ってほしかったです。

もちろん、踊りは、その地域の特色を表しているものでもあるので、オリンピックの競技場より

地元の風情残る街並みで行ったほうが映えることがありますが・・・。

そして、まだ日本には世界に胸を張って発信できる踊りや祭がたくさんあります。

「踊り」という枠から「日本の祭」へとテーマを広げて、会場内で実演してもよかったはず。

「ねぷた祭り」、「長崎くんち」、「阿波踊り」、「よさこい祭り」・・・

せっかく日本の祭は豪華な山車や魅力ある伝統衣装をまとった活気ある踊りがあるのに

それを出さずに終わるのは非常にもったいない。

そしてトリを飾るのは「東京音頭」。ステージに浴衣姿の男女が集い、東京音頭をとり始める。

海外の選手たちの反応を見るに、やはり実演で行ったほうがウケはいい。

楽しそうに踊る選手たちを観てホッとしました。

これなら、最初から様々な祭りの演舞を実演でやったほうが盛り上がったのではないか?

最初の映像も、東京音頭だけでは足りない尺のかさ増しのようにとらえられました。

映像自体の出来は良かった。「ゆく年くる年」感が強かったけど、僕は好きです。

 

⑧オリンピック讃歌、さすがの岡本さん、長すぎるバッハ校長

 五輪を讃えるオリンピック讃歌。歌うのは、ソプラニスタ(男性ソプラノ歌手)の岡本知高さん。

世界的に活躍している方で、テレビの出演も度々ありますね。

本当に彼の歌声はすてきだなぁと、改めて思いました。

良いパフォーマンスは、会場の注目も一点に集めます。

それまで和気藹々とした会場の雰囲気を一気に変えました。

冬季トリノ五輪でのルチアーノ・パヴァロッティ氏の「誰も寝てはならぬ」同様、

突出した歌手の歌声は、本当に人を惹きつける魅力がありますね。

(パヴァロッティ氏の五輪での歌は、季節柄事前に録音されたものですが、さすがのパヴァロッティ。

テノール歌手として歴代屈指の歌声です。あれはぜひ聴いてみてください。)

開催地の引継ぎ式典を含めたオリンピック讃歌なだけに前後のパフォーマンスとは

独立したものでしたが、こればかりはそのほうがよかったと思います。とても素晴らしかったです。

そして次期開催地のパリからの映像。 これも素晴らしかったですね。

世界的にも人気のある街、パリを存分に活かした映像でした。

ラ・マルセイエーズも相変わらずかっこいい。

歴史ある建造物の並ぶパリの街中で、BMX競技やブレイクダンスが行われるのはとても楽しみ。

オリンピック抜きにしても、パリは一度は足を運んでみたいですね。

生のモナ・リザを一度でもいいから見てみたい…!

 でも、リオ五輪閉会式での東京五輪パフォーマンスの方が上回っていると思います。

安部マリオなんてネタにされた部分もありましたが、やっぱりあの演出は見事だったと再認識。

そしてバッハ会長ならぬバッハ校長の話は長すぎる。長めにトイレに籠っていても

まだ余裕がありました。

 

⑨クライマックス、またもや寸劇

 いよいよクライマックス。大竹しのぶさんと子供たちがステージに登場。

歌うのは、あの宮沢賢治さん作詞作曲の「星巡りの歌」。

Twitter等では、キャスティングの意図を問う方も多かったですが、

宮沢賢治オタクの自分にとって、この曲選は正直嬉しいサプライズでした。

でもやっぱり寸劇にする必要はなかったのでは・・・?

開会式同様、なぜこうも寸劇が多いのでしょうか?しかも一貫したテーマがなさすぎる。

テーマがばらばらの寸劇は観てて困惑するだけです。本当に開会式のなだぎ武は何だったんだ?

せっかく、岡本知高さんのように、歌唱力の高い歌手を呼べるのであれば

同じように歌と映像美術の組み合わせだけでよかったと思います。

寸劇のおかげで、最後の最後で学芸会のようなチープさが出てしまったのが残念です。

 

⑩まとめ

 以上が、閉会式の各パートに対する感想でした。

序盤の映像技術、岡本さんの歌声、選手たちがともに踊った東京音頭・・・

パート毎で見れば、良い演出もありました。 しかし、全体として本当にまとまっていない。

趣を変えること自体は悪くはないが、ある程度の一貫性がなければグダグダになるいいお手本でした。

そして開会式でもいえるのだが「謎の安っぽい寸劇」が何より酷かった。

今大会で一番困惑したものでした。 テーマも謎、キャスティングも謎。

まるで仲良しな身内で盛り上がってるだけの学生のお遊戯会です。五輪で出すレベルではない。

寸劇を取り入れること自体は良いのだが、ロンドン五輪のMr.ビーンの足元にも及ばないクオリティ。

まぁ、あれは向こうがレジェンドなだけにハードルは高いかもしれませんが

せめて「日本」を、ひいては「東京」をアピールできるようなテーマがあったはずです。

演出の勉強をしていない素人からみてもそう感じました。

 

 まぁ、語ればキリがないのでこの辺で・・・。

一つ言っておきますが、パフォーマー側には何の責任もありません。

組織委員会側のゴタゴタに巻き込まれて急ピッチで作り上げた努力は賞賛すべきです。

これで予算は…165億円…?

単純計算でオリパラの開閉会式4つで割ったとして一つに40億円の予算。

ちょっと電通出てこい。話をしよう。

長文になりましたが、ここまで読んでくれてありがとうございました。

それでは。

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