Procol Harum “A Whiter Shade of Pale”

今日は、60年代を代表する名曲を紹介します。

Procol Harum(プロコル・ハルム)の代表曲、“A Whiter Shade of Pale(邦題:青い影)”です。

Procol Harumは、1967年にデビューしたイギリスのロックバンドです。

主な活動期間は70年代までと決して長くありませんでしたが、

このデビュー曲「青い影」の大ヒットで一躍有名になりました。

(一応、細かくメンバーを変えつつ、90年代の再結成以降、活動中という形をとっています。)

この「青い影」は、バッハの「G線上のアリア」の旋律をベースに作られています。

・・・ぶっちゃけ歌詞の全貌は、彼女に浮気をしたか問いただすだけなんですが

その表現がとても詩的で情緒あふれる表現なのです。

歌詞を一つ覗いてみましょう。

サビの冒頭部分・・・

And so it was that later

そして、すぐ後のことさ

As a miller told his tale

粉屋の話をすると

That her face, at first just ghostly

彼女の顔はまず血の気を失って

Turned a whiter shade of pale

次第に青白くなっていったんだ

  

「粉屋の話」というのは、カンタベリー物語の一編です。

これは、粉屋が話した噂という形で、粉屋本人が直接登場するわけではありません。

物語の内容としては、大工の夫婦のもとに下宿していた学生が、

大工の主人をだまして、その妻と関係を持つ・・・早い話が『浮気』の話です。

歌詞の中では「粉屋の話をすると」と表現されているわけですが

つまり、彼女に「浮気をしたか?」と訊いているわけです。

そして、彼女の顔は青ざめます。

先述の歌詞の続きでは、

「真実は(私の顔を)見てのとおりよ」と彼女は浮気したことを認めるのです。

ここだけでもかなり詩的な言い回しだなぁ~と思ったのですが、その後もいいんです。

 

その後の歌詞では、浮気を知ってしまった男が、彼女を責めることに対して悩みます。

But I wandered through my playing card

だけど、私はどうするか悩んだんだ

And would not let her be

One of sixteen vestal virgins

Who were leaving for the coast

彼女に、『16人のヴェスタの巫女の一人を沖に流すようなこと』をさせたくない

And although my eyes were open

僕の目は開いていたけど

They might have just as well have been closed

何も見えていなかったのかもしれない

 

ここで出てくる「ヴェスタの巫女」の前に女神ヴェスタのことを・・・

ヴェスタとは、ローマ神話に登場する竈(かまど)の女神です。

竈=家を象徴するわけですから、家を守る女神というわけで

ヴェスタは、貞操を司る処女神でもあったのです。

そして、古代ローマでは、このヴェスタに仕える巫女たちがいました。

彼女らは、当時の女性としては破格の特権を得る代わりに

処女神ヴェスタに仕える身として貞操であることが求められていました。

逆に、貞操を破った巫女には処刑に近い厳しい罰が下されるのです。

その巫女の一人、トゥッキアは、自身が姦通したことを迫られた際

身の純潔を証明するため、桶に乗って川に流されたそうです。

 

「浮気したとはいえ、好きな彼女を責めたくない」

「私は彼女の浮気に全く気付けなかった」

これだけのことを言うためにこんな歌詞になっているわけです・・・。

いやはや、驚きですね・・・。

英語圏の方でも、なかなかこの歌詞をすぐに理解できないそうです。

こんな歌詞表現の「青い影」ですが、クラシックの名曲をベースに

作られたメロディーも相まって、とても高い評価を得ています。

ビートルズのジョン・レノンも「人生でベスト3に入る曲」、

67年の時、「今の音楽業界で、この曲以外は聴く価値がない」と豪語するほど。

山下達郎をはじめ、日本の歌手にも影響を与えており

松任谷由実さんが作曲も手掛けるようになったきっかけの曲らしいです。

是非、一度聴いてみてはいかがでしょうか?

Procol Harumの“A Whiter Shade of Pale”でした

それでは。

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